太陽の巨大フレアで地球上全てが停電!
超巨大な爆発現象「スーパーフレア」が、太陽の表面で起こるかもしれないとの解析結果を京都大付属天文台のグループがまとめ、16日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
太陽では、太陽系最大の爆発現象とされる通常のフレアが起きており、その際に生じる磁気嵐で通信障害や停電などが発生している。スーパーフレアは、放出されるエネルギーが太陽フレアのうち最大級のものの10倍~100万倍に達する。太陽でスーパーフレアは起きないという通説に疑義を唱える結果で、グループは「起きれば地球は大きな被害を受けると予想され、研究を進めたい」としている。
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グループの柴田一成教授(太陽・宇宙プラズマ物理学)らは、米航空宇宙局(NASA)の惑星探査機「ケプラー」が2009(平成21)年4~12月に観測したデータを利用。地球から数百~千光年離れた天の川銀河系にあり、大きさや表面温度が太陽と似た「太陽型星」約8万3千個を対象に、30分ごとの明るさの変化を解析した。
その結果、148個の表面でスーパーフレアが365回起こっていた。
グループによると、太陽型星のスーパーフレアの原因は、星と惑星それぞれの磁場の相互作用とされ、発生にはホットジュピターと呼ばれる、恒星の近くを回る巨大惑星の存在が必須と考えられてきた。しかし今回、スーパーフレアが確認された太陽型星でホットジュピターは見つからず、太陽でもスーパーフレアが起こる可能性が出てきたとみている。
解析では、急に増光した後に時間をかけて暗くなり、爆発現象で明るさが0・1~10%増した場合をスーパーフレアと判断した。(MSN5月17日)
太陽の活動が過去20年間で次第に低下していることが分かったと国立天文台と米航空宇宙局(NASA)の研究チームが31日、発表した。今後10~20年は低下傾向が続くとみられる。地球の寒冷化や温暖化抑制への影響は不明としている。
太陽は黒点が増えて活動が活発化する極大期と、黒点が減り静穏になる極小期を約11年周期で繰り返す。
研究チームは国立天文台の電波望遠鏡(長野県)で観測した平成4~24年のデータを解析。12年4月の極大期の前後について北極・南極周辺の活動を比較した結果、最近の約10年間はそれ以前と比べて活動の強さが約3割低下したことを突き止めた。
太陽活動が低下すると、地球を包む太陽の磁場が弱まり、地球に届く宇宙線が増加。大気中の水蒸気と反応して雲ができやすくなり、日射量の減少などで地球が寒冷化するとの説がある。現在の太陽は17~18世紀の寒冷期と同じ磁場の異変が起きているとの研究も先月発表された。
今回の解析結果について同天文台の柴崎清登(きよと)教授は「気温との因果関係はまだ不明。地球の気象は複雑で、寒冷化の根拠になるとはいえない」としている。(MSN6月1日)
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米航空宇宙局(NASA)によると、太陽の表面に地球の直径の10倍もの幅がある巨大な黒点群が9日までに観測された。周辺では比較的大きな規模の爆発現象「太陽フレア」が7回発生。この影響で、地球でオーロラが観測される可能性があるという。
黒点群は5日に太陽の左端で見つかった後、自転に合わせてゆっくりと移動。肉眼でも識別可能で、NASAは大きさを「モンスター級」と表現している。
専門家は、天体望遠鏡などを使って観測する場合は「絶対に直接目で見ないように」と注意を呼びかけている。
黒点は、磁場の影響で太陽のガスの対流が妨げられてできると考えられており、温度が4千度と、通常の太陽表面温度の6千度に比べて低いため暗く見える。太陽活動とも密接な関係があり、活発になると黒点が増えるとされる。(共同)
■地球にオーロラをもたらす太陽の磁気嵐だが、その強力な発生源となっているのが太陽フレアだ。この太陽フレアが荒れ狂うと地球上にさまざまな現象をひきおこす。特に、電力システムに及ぼす影響は計り知れない。2012年、この太陽フレアがとてつもない規模で荒れ狂うという予測がある。その時、地球上の電子機器はデリンジャー現象によってストップするかもしれない。
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太陽フレアは太陽面爆発ともいう。黒点群上空のコロナ中に蓄えられた磁場のエネルギーが爆発的に放出される現象である。最大級のフレアでは、大型の火力発電所が数10億年分の発電量に相当する莫大なエネルギーを、数時間という短い時間で放出するすさまじいものである。
このとき強いX線が放出されるので、地球のまわりを回っている人工衛星に影響を与えることもある。かつては地球大気の電離層を利用した通信に障害を及ぼし、デリンジャー現象を呼ばれた。またこのときに放出される荷電粒子は、フレアのあと1日半程度で地球に到達し、地球の磁場を乱して磁気嵐を起こしたり、極地方でオーロラを発生させることがある。
惑星ニビルの軌道NASAは大規模な電力被害を予測している!
2012年に起こりえる磁気嵐はNASAも予測している。1921年に起こった磁気嵐が、現在のアメリカで起こった場合の被害予想図を発表しているが、電力の停止をはじめ、それによる水道の社会システムの停止がおこり、1億3000万人が影響を受けるとされている。つまり、アメリカの人口の半分が何らかの影響を受けることになる。この予測は2009年1月にNASAが発表、太陽活動の活発化は日に日に現実となっている。
つい先ごろ公開された太陽フレアはかつてない規模のものだ。地球がスッポリ入る大きさのフレアが太陽表面を荒れ狂っている。警戒が必要だが、われわれは、なす術がない。
太陽観測衛星SDOが捉えた太陽フレアの画像(NASANASA提供)
米航空宇宙局(NASA)は9日までに、太陽観測衛星「SDO」がとらえた太陽表面の巨大な爆発現象「太陽フレア」の画像を公開した。太陽フレアは7日に発生。激しく燃えているように見える領域では、フレアによって電気を帯びた粒子が大量に放出されているという。太陽フレアは、オーロラを引き起こすほか、地球を周回する人工衛星や無線通信に悪影響を与えることがある。 (2011年、6月10日)
強力な太陽嵐で2012年に大停電!果たしてその対抗策は?
2012年に世界が終わる――こう聞いたら、マヤ文明の予言の話だと思うかもしれない。しかしこの恐ろしい予測は、マヤの民でなく科学者が行なったものだ。米航空宇宙局(NASA)が招集した研究チームが昨年発表した報告書には、太陽嵐が壊滅的な被害をもたらす可能性に関連して、そんな身の毛もよだつシナリオが記されているのだ。[2012年人類滅亡説は、マヤ文明において用いられていた暦の一つが2012年12月20日に一つの区切りを迎えることから連想された、オカルト的な終末論の一つ]
『Severe
Space Weather Events ― Understanding Societal and Economic Impacts』(激しい宇宙気象――その社会的・経済的影響の把握)と題するこの報告書は、太陽フレアが放出するエネルギーが地球の磁場を混乱させ、強力な電流によって高圧変圧器が故障し、電力網が停止する可能性について検証したものだ。
そのような大惨事が起これば、米国での被害額は「最初の1年間で1兆〜2兆ドル」にのぼり、「完全復旧には4年〜10年」を要すると報告書は予測している。むろんこれは、地球全体に及ぶ被害のごく一部にすぎない。
次に太陽活動が極大化する時期は2012年頃[2010年頃から2012年頃]と予想されている。このとき地球の地磁気シールドに、通常になく大きな穴が開くため、太陽フレアに対する地球の防御体制は弱まることになる。
[「磁気シールドの穴」とは、NASAの磁気圏観測衛星『THEMIS』(Time
History of Events and Macroscale Interactions during Substorms)の観測データから判明したもの。太陽からの磁場線の向きは、11年周期の太陽活動に合わせて変化するが、太陽からの磁場線が地球の磁場線と同じ方向を向く場合、太陽粒子の層が厚くなり、地球の磁気シールドを通過する粒子の量が20倍以上になるとされる。
1989年の極大期には、激しい磁気嵐がカナダのケベック州の電力システムを破壊し、9時間にわたって停電。600万人に影響し、復興に数ヵ月を要した(日本語版記事)。2000年の極大期には大きな被害は報告されなかったが、これは太陽に蓄積されたエネルギー解放が行なわれなかったためで、次の極大期にはこのエネルギーが解放されて太陽嵐が発生する可能性があると考えられている]
われわれは、ジャーナリストのLawrence Joseph氏にインタビューし、報告書の内容や、被害を防ぐ方法の可能性について話を聞いた。同氏は、『2012地球大異変
: 科学が予言する文明の終焉』(邦訳日本放送出版協会刊)という著書の中で、2012年に地球が大惨事に見舞われる可能性があると主張している。
Joseph氏:私は先週、[報告書の元になった研究会に出席していた]電磁障害関連のコンサルティング会社米Metatech社のCEO(最高経営責任者)、John
Kappenman氏に会う機会を得ました。彼は2時間に及ぶ詳細な説明をお行ない、現状の電力網がいかに脆弱なものであるか、そこに強力な電圧がかかった場合、その脆弱さがいかに増大するかを訴えました。Kappenman氏は電力網を、激しい宇宙天気事象を受信する大きなアンテナだと言っています。
ワイアード:なぜそれほど脆弱なのでしょう? また、その対策はないのですか?
Joseph氏:超高圧変圧器は、電力需要が大きくなるほど不安定になります。変圧器の約50%が、すでに本来処理できるはずの電流に耐えられなくなっています。あと少し強い電流が何度か加われば、限界を越える可能性があります。
中でも、50万および70万キロボルト級の超高圧変圧器は特に脆弱です。米国は世界で最も多くこれらの変圧器を使っています。中国も数百万キロボルト級の変圧器を設置しようとしていますが、すでに導入済みかどうかは分かりません。
Kappenman氏はまた、変圧器が故障した場合、現場でそれを修理することは不可能だと指摘しています。そもそも修理がきかない場合も多いのです。現時点では、新しい変圧器を発注してそれが届くまでに1〜3年は待たなければなりません。
[NASAの記事によると、現状の電力網は、安価な電力を遠隔地から送電するために複雑化し、脆弱性が上がっているという。Kappenman氏は、1989年にカナダで停電を起こした太陽嵐より10倍強力だったと見られる1921年の太陽嵐のデータを現状の電力網に適用して計算。電力網やそれに伴う水道など社会システムの破壊が1億3000万人に影響すると予測している。次ページに、影響が予測される場所をプロットした米国の地図を掲載した]
Joseph氏:対抗策としては、Kappenman氏によれば、まだテストはされていませんが、電力網に接地抵抗器を取り付ける案があるそうです。処理は少々複雑になりますが、運用者が処理できないほどではないでしょう。ただ、接地抵抗器の取り付けが2012年までに間に合うかどうかは分かりません。基準を策定するのは困難ですし、電力供給は通常各州の管轄で、クリアすべき法的なハードルが多いのです。それでも、次に太陽活動が極大化するまでに何らかの対策を講じることは可能かもしれません。
ワイアード:太陽嵐が来たら電力網を停止させて、終わったらまた稼動させればよいのでは?
Joseph氏:電力網の運営者たちは現在、『ACE』(Advanced
Composition Explorer)という[NASAの太陽風観測]衛星を利用して太陽の状態を予測しようとしています。ACEは地球から約150万キロメートル離れたラグランジュ点と呼ばれるところにあります。ただし、ACEは設計上では5年間の稼動期間しか想定しておらず、すでに打ち上げから11年が経過して能力が衰えつつありますが、代わりの衛星が打ち上げられる予定はありません。
太陽から地球に何かがやってきそうなとき、ACEはその15分〜45分前にそれを検知し、発電所に情報を送ることができます。それだけあれば、電力網の一部を停止させたりすることはできるでしょう。
しかし、電力網全体を停止させ、後で再開するとなると100億ドルもかかりますし、この案には反対意見も多いのです。太陽嵐は北極に影響を及ぼすことが多く、米国に影響を及ぼすほど南下することはあまりありません。太陽嵐の到来を正確に予告することは難しく、もし外れれば人々の怒りを買うことになるでしょう。巨額のコストが無駄になり、損害は甚大です。しかし、Kappenman氏をはじめ多くの人が、今回は大きな被害が出るかもしれないと予測しています。
[太陽嵐が起こると、まず8分程度で電磁波が到達し、電波障害が生じる。次に数時間で放射線が到達。数日後にはコロナ質量放出の影響で、誘導電流が送電線に混入した場合に電流が乱れ、停電、電力システムの破壊を招く可能性がある]
(WIRED NEWSより)
太陽フレアに関する最新情報
NASAホームページに最新記事が掲載されている。英文だが、興味深いのでご一読をお勧めしたい。
http://science1.nasa.gov/science-news/science-at-nasa/2006/10mar_stormwarning/
太陽フレアに関するリンク集
太陽風データのリアルタイム受信:情報通信研究機構